Interview Kurita Yosuke

栗田:今日も始まりました。教えて!栗田先生の矯正相談室。MCは、マロニエ矯正歯科クリニック院長の栗田容輔です。この番組は、矯正に関する知識やお悩みなどを中心に、矯正歯科のあれこれについて、本音でお届けしたいと思います。そして、本日も私と一緒に番組を進めていただきたく、この方をお呼びいたしました。
川上:本日ナビゲーターを務めさせていただきます、川上実津紀です。よろしくお願いいたします。
栗田:よろしくお願いいたします。
川上:この番組ですが、本日が6回目、最終回となっております。
栗田:2ヶ月に1回の放送だったので約1年間ですね。長かったような、あっという間だったような不思議な感じです。僕も楽しくやらせていただきましたし、ラジオを聴いてくださった方に感謝ですね。
川上:ラジオ番組のMCは初めての経験でしたか?
栗田:初めてやらせていただきましたが、こんなに楽しいのか、と思いました。
川上:そうですよね。ラジオはいろんな情報をお届けできますし、「学びになりました」という反応もあるとより嬉しいですよね。
栗田:そうですね。このラジオは今回で最終回ですが、何かしらの形で情報発信を続けていきたいなと思っています。

川上:本日は、セラミック矯正とワイヤー矯正の違いから進めていきたいと思いますが、説明をお願いできますでしょうか?
栗田:まず、矯正治療は歯を動かして歯並びを改善しますが、セラミック矯正は歯を削ってセラミックを被せることで歯並びを改善します。
川上:セラミック矯正は実際の歯並びは変わっていないということでしょうか?
栗田:そうですね。歯を削ってセラミックを被せているだけのため、埋まってる骨の位置は変わっていません。骨の中の歯の位置は変わりませんが、見た目は綺麗に整っているように見えます。そして、ワイヤー矯正に比べて、お手軽です。
例えば、矯正治療は、全部やる場合は数年かかりますし、お金も100万円くらい必要になります。前歯だけやりたいという時は、普通に矯正するより、セラミック矯正の方が金額が抑えられますし、時間もあまりかからないので、ちょっと魅力的に感じますよね。
川上:これは施術受けた当日から、歯並びが良くなるのでしょうか?
栗田:歯医者によっては、1回から3回くらいで終わりますので、早いと1ヶ月くらいで終わります。ただ、セラミックを被せるということは歯を削っているということです。歯を削ると歯がもろくなるため、20年、30年、50年先を考えた時に、「歯を傷つけていいの?」というお話になってきます。
川上:「長い目で見ると」という話ですよね。
栗田:そうですね。基本的には歯を削ってしまうと歯が細くなるリスクもありますし、場合によっては神経を取る必要もあります。ただ、神経を取ると、歯に栄養が行かなくなってしまい、歯の寿命が短くなる可能性があります。
川上:怖いですね。
栗田:そして、セラミックは、10年〜20年経つと劣化し、作り直す時にお金がかかります。ワイヤー矯正より安いと思ってセラミック矯正を選んでも、長期的にみると結構お金がかかる場合もあります。また、矯正は噛み合わせを良くするためにやる場合が多いですが、セラミック矯正は噛み合わせを良くするためのものではないため注意が必要です。
川上:根本的な治療ではないということですね。
栗田:そういうことです。ただ、ワイヤー矯正とセラミック矯正の良いとこ悪いところを、両方分かった上でセラミック矯正を選ぶなら良いと思います。
川上:勉強になりました!

川上:続いて、良い病院・先生の見分け方を教えていただけますでしょうか?
栗田:簡単に言うと、患者さん思いの先生が良い先生なのですが、「患者さん思い」とは何かということです。患者さん的には、良い先生に見えても、医療従事者側からみると「良い先生ではない」場合もあります。
川上:これは我々には判断できないですね。やっぱり優しかった、笑顔が多かったなどで決めてしまいます。
栗田:優しいというのは、非常に大事なポイントだと思いますね。ただ、「優しさとは何だろう」という話なのです。
川上:深い話になっていきますね。
栗田:例えば、一つ一つの処置が丁寧、説明が丁寧、口調が穏やかな感じだったら、良い歯医者だなと思うと思います。しかし、医療行為には副作用やデメリットがあることも多いです。痛かったり苦しかったりする治療を、医者は提供しなくてはいけません。矯正に関しても、時間がかかりますし、痛みもあります。だからこそ、「早く治ります」「痛くないですよ」と言われた場合は、「本当かな?」と考えて欲しいです。
川上:我々の感覚からすると、「早く治せる」と言われると、腕のいい先生だと思ってしまいます。では、良い先生の見極め方を教えていただきたいです。
栗田:僕の中では、「やったほうが良い」という言葉はあまり良くないと思っています。
川上:どういうことでしょうか?
栗田:私は、矯正治療をやるかどうかを決めるのは、患者さんだと思っています。患者さんが選択できるように、矯正の良い点や悪い点を説明するなど、情報を伝えることが大事です。しかし、矯正はお金もかかります。だからこそ、患者さんの選択を直接的に左右するような言葉は控えるべきだと思っています。
川上:その視点で考えたことはなかったです。
栗田:だから、「歯を抜くなら、こういう風に治療が進みます」「抜かない時は、こうなります」など複数の選択肢を示してくれる方が良い先生だと思っています。
川上:それは、実際に病院に行ってみないとわからないですね。
栗田:やはり実際に行くのが、大事です。虫歯治療だったら、そのまま治療を受けることが多いと思いますが、矯正の場合は一度、無料相談などでお話しをして、どうするかを決めて欲しいです。
川上:何箇所か行った方がいいでしょうか?
栗田:そうですね。一箇所目から、良い先生に出会える可能性もありますが、複数行き比較した方がいいかなと思います。
川上:実際に複数の歯医者さんに話を聞くことが大切なのですね。
栗田:あとは、認定医の資格を持っているかどうかも一つの基準になります。メジャーなのは、日本矯正歯科学会です。僕もその学会の認定医です。認定医ではなくても良い先生はいますが、認定医の方が修行をしていますので良い先生の確率が高いと思っています。
川上:認定医かどうかは、どこで調べられますか?
栗田:歯科医院のHPに載っていたり、学会のHPで検索したりすることもできます。
川上:認定医を持ってるかどうかは、判断しやすい基準ですね。
栗田:そうですね。認定医を持ってる先生を調べ、行きやすいところから順番に、相談に行くのがいいと思います。
川上:自分のご自身の歯並びが気になっている方は、栗田先生のお話を参考にしながら、歯医者さん選びをしてみてくださいね。それでは、最終回ですので、最後に皆さんにメッセージをお願いします。
栗田:歯並びが気になっている方は、一度相談に行き話を聞いてみてください。「任せても大丈夫だな」と思える先生に会えるまで、相談し続けるのが重要です。納得するまでは、始めないほうがいいと思います。矯正は大変ですが、納得した上でできたらすごく良いと思いますので、もしよければやってみても良いかもしれませんね。
川上:栗田先生、ありがとうございました!
栗田:ありがとうございました!