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New Video 2024.11.27 on air

教えて!栗田先生の矯正相談室#3_2024.11.27放送分

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Interview Kurita Yosuke

栗田:本日も始まりました、「教えて!栗田先生の矯正相談室」です。パーソナリティは私、マロニエ矯正歯科クリニックの院長、栗田容輔です。みなさんよろしくお願いいたします。本日は私と一緒に番組を進めていただきたく、この方をお呼びしました。

川上:はじめまして、川上実津紀と申します。私も矯正をしている最中のため、さまざまなことを学べると楽しみにやってまいりました。本日はよろしくお願いします。

栗田:今回、番組としては3回目で、前回がちょうどマウスピース矯正の話だったんですよ。

川上:私が今ちょうどインビザラインをしているので、前回参加させていただきたかったです。

栗田:前回はマウスピースのいい点とよくない点についてお話ししましたが、今回は矯正のネガティブな側面をお話しします。

川上:ネガティブ?

栗田:そうですね、矯正の先生が積極的にはいわない点を中心にお話しできればと思います。

川上:本日のテーマは矯正のトラブルについて。ネガティブな側面も先に知っておいた方がいいとのことですが、早速教えていただけますか?

栗田:かしこまりました。まず、避けては通れない症例が非常に多くあります。そのようなリスクを理解した上で矯正を検討されるとよいかでしょう。例えば、歯の痛み。矯正は大半の方が痛いというイメージがあると思います。実際には、この痛みは嚙んだ時に発生するものです。つまり、基本的に食事以外は痛くないのです。ワイヤーでの矯正は大体月一回の通院になりますから、最初の3日間は痛みが続くでしょう。言い換えると、痛くない期間の方が実は長いのです。

川上:痛みで夜に眠れなかったというエピソードをよく聞きますけどね。

栗田:僕も経験したことがありますが、実際はそうではありません。食事の時のみですね。しかし、この痛みに関しては鎮痛剤が有効です。痛みをゼロにすることは難しいですが、少なくする工夫はできますよ。

川上:そういうことなんですね。

栗田:次の症例は歯根吸収。歯は根として骨の中に埋まっているのですが、これが短くなってしまう症例です。歯を動かす際に骨を壊す細胞が働くのですが、歯の根っこも少し壊してしまいます。そのため、矯正をすると歯の根っこがやや短くなるのです。少し短くなるなら問題ないのですが、大幅に短くなると歯がぐらぐらして寿命が縮まってしまいます。

川上:大きな問題ですね。

栗田:はい。元々歯の根っこが短い方は注意が必要です。それでも短くなってしまった方には、矯正後に歯の裏側にワイヤーをつけて固定することもあります。歯の健康のために矯正をするのに、歯の寿命が縮まってしまう側面もあるということです。矯正歯科医も気をつける必要がありますが、患者さんにもそのようなリスクがあることを知っていただきたいです。

川上:少し怖いですね。歯並びが治れば全てよくなるのだと思っていました。

栗田:矯正のネガティブな側面は多くありますが、しっかりとメリットとデメリットを天秤にかけてほしいのです。患者さんには後悔してほしくないですから。

川上:知識を持った上で臨んでほしいということですね。他の病気ではセカンドオピニオンを聞きにいくこともありますが、矯正でその習慣はない印象です。

栗田:実はあります。治療を始める前に数カ所の歯科医院を見てから選ぶ方もいれば、治療を受けながらセカンドオピニオンとして他院に行く方もいらっしゃいます。

川上:そうでしたか。

栗田:最初に選んだ先生が必ずしもいいとは限らないので、色々な先生の意見を聞くのもいいと思います。

川上:ただ、素人目線ではどの先生がいいのか見抜けないのではないでしょうか?

栗田:ベストは自分のために必死になってくれる先生。技術の良し悪しはありますが、先生自身が頑張ってくれるかが大事ですね。患者さんが見えない苦労も、しっかり引き受けて治療してくれるのが熱心な先生だと思います。

川上:しっかり向き合ってくれると感じられる先生はいいですね。患者さんは医療のプロではないからこそ、セカンドオピニオンも選択にいれることが大事ですよね。

川上:ここからはQ&A形式で、患者さんからの質問を先生に答えていただきます。

栗田:かしこまりました。こちらはとあるサイトで僕が質問に答えているのですが、その中から抜粋してきたものになります。

川上:まず一つ目。ブラケットを新人さんが付けなおすと、前歯の高さがずれてしまったことが気になります。要望を伝えても大丈夫でしょうか?という質問です。

栗田:伝えるべきです。こちらに関しては、意図的にしている可能性もありますね。後々削るためにあえて段差をつけていることも考えられます。あるいはミスの可能性も否定できません。とにかく矯正中に気になることがあれば、失礼などは考えず、聞くべきだと思いますね。適切な回答は返ってくるはずなので、気になれば尋ねましょう。

川上:遠慮せずに聞いていいということですね。

栗田:言わずにもやもやしない方がいいです。

川上:次の質問です。矯正をしたいものの、通いたい歯科医院まで片道5時間かかります。子どももいるので、諦めるべきでしょうか?とのことです。

栗田:恐らく、行きたい歯科医院が5時間かかるということでしょう。その他も歯科医院はあるはずなので、他院を検討するのもいいかもしれません。通いやすさも一つの重要なファクターですからね。矯正は途中で止めることができないので。

川上:始めたのに通院しなくなることも?

栗田:ありますね。

川上:子育て中であれば、子どもの成長を待って、ご自身のライフステージに合わせて始めることも大事ですね。

栗田:その通りです。何歳からでもできますから。

川上:ありがとうございます。さまざまなQ&Aがありましたね。さて、エンディングのお時間が近づいてまいりました。矯正のトラブルや質問についてお話ししましたが、最後に改めてポイントをご紹介いただけますか?

栗田:多くの方が矯正をしたいと考えているでしょう。しかし、実際は費用や時間がかかるもので、リスクも存在します。そのため、両方の側面を天秤にかけた上で臨んでほしいです。メリットとデメリットを調べた上で相談に行き、検討していただきたいです。

川上:ありがとうございます。次回の放送は2025年1月22日です。次は子どもの矯正についてお話をする予定なので、皆さんにもぜひお聞きいただけたら幸いです。

Company Profile

マロニエ矯正歯科クリニック 院長

栗田容輔 Krutita Yosuke

2010年に東京歯科大学を卒業後、歯科医師免許を取得。その後、東京歯科大学水道橋病院で矯正歯科に従事。2016年には、日本矯正歯科学会の認定医資格を取得。 インビザライン認定ドクター。2017年、マロニエ矯正歯科クリニックを開設。

http://marronnier-kyousei.com/