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New Video 2025.04.22 on air

えらぶゆり電力 presents えらぶ未来の電力革命 2025.04.22放送分

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Interview Shinkai Masaru

竹下:ここからは「えらぶゆり電力 presents えらぶ未来の電力革命」をお届けします。ナビゲーターを務めます、フリーアナウンサーの竹下梨帆です。そして番組MCは、未来の電力インフラを変えるキーパーソン、株式会社えらぶゆり電力代表取締役社長の新海優さんです。よろしくお願いします。

新海:よろしくお願いします。

竹下:もともと新海さんは電力会社ではなく、通信会社にいらっしゃったんですよね。

新海:そうですね。会社を立ち上げる前は通信会社のソフトバンクに勤めていました。

竹下:そこから電力会社を設立したのはどうしてでしょうか?

新海:私は、iPhoneやPadを普及させる仕事をしていたのですが、ガラケーからスマートフォンに変わる通信革命を間近でみてきました。電気も同じで、現在は電線を通っているアナログの電気です。それが再生可能エネルギーを入れることによって、デジタル化されていきます。

竹下:デジタル化ですか。

新海:そうです。通信の世界で起きたデジタル化が、次は電気の世界でも起きるというところに興味があり、この世界に飛び込みました。

竹下:そうだったんですね!それを知ったことがきっかけで、えらぶゆり電力を設立されたのでしょうか?

新海:そうです。最初のきっかけは、この会社の会長をしている阿部力也先生に出会ったことです。阿部先生は東京大学の特任教授で、電力の変換したり、電気を届けたりする技術を持っていらっしゃいます。世界でもトップクラスの技術なんですよ。これを私が世界に届けたいという思いで、阿部先生と共同で会社を設立しました。

竹下:えらぶゆり電力さんは、具体的にどのような取り組みをしているんでしょうか。

新海:鹿児島県の沖永良部島で、再生可能エネルギーを入れた新しい街づくりに取り組んでいます。沖永良部島は、環境省がやっている脱炭素先行地域100にも選ばれており、再生可能エネルギーを推進していく地域なんです。

竹下:再生可能エネルギーを推進していく地域ですか。初めて聞きました。

新海:竹下さんは、沖永良部島など離島には行ったことがありますか?

竹下:ないです。正直あまり離島のイメージが湧いていないです。

新海:沖永良部島は、鹿児島から飛行機で1時間半ぐらいですね。沖縄と鹿児島の間にある島で、人口は約1万2000人です。

竹下:結構住んでいる方も多いんですね。

新海:学校やスーパーなどもあり、島で全てを完結しているんですが、荷物などは本土から船便で届きます。メイン産業は農業で、サトウキビやジャガイモを生産しています。

竹下:そうなんですね。

新海:ただ、一番の問題は台風の通り道ということです。台風が直撃すると、そこのエリアは停電してしまいます。そして、停電をすると、本土と電気がつながっていないですし、天気が悪いなか本土から電力会社の方も来ることができないので、1週間から10日ほど停電をすることも多々あります。

竹下:1週間の停電は想像がつかないんですが、もう島の人にとって当たり前のことなんですか?

新海:当たり前のことですね。島民の皆さんは、停電しても耐えられる準備をしています。

竹下:そんな沖永良部島で、えらぶゆり電力さんはどんなことをしているんですか?

新海:太陽光や風力などの再生可能エネルギーを入れて、そこでできた電力を我々が届けて、停電しない街を作るという取り組みを行っています。

竹下:それは、どうやって電気を届けているんですか?

新海:例えば今の電線を使ったり、自分たちで線を引いたり、作った電気をコントロールして届けてあげるということをしています。

竹下:発電所から送るというわけではないんですね。

新海:そうです。電力会社さんが持っている発電所は別にありますので、そこと共存させるという形です。そうすると、停電が起きて発電所が止まっても、再生可能エネルギーで電気の供給を続けることができます。

竹下:電力を分散させることで、停電が起きても電気を使うことができるようになるんですね!

竹下:えらぶゆり電力さんの技術はどういった名前なんでしょうか?

新海:我々の電力を変換する技術は、デジタルグリッドという技術です。デジタルグリッドルーターって言われている機器を使って、デジタル制御して変換しています。

竹下:電力を変換するデジタルグリッド技術ですが、今後はどんな形で広がっていくと思いますか?

新海:我々の技術を使って、デジタル化した電気を制御して届けることで、新しい電力の仕組みが生まれると思っています。

竹下:それは広がっていくと、私たちにとっても身近なものになるんでしょうか?

新海:そうですね。今自宅でソーラーパネルをつけている方は、自分たちで作った電気を使いますよね。電気のデジタル化が進むと、自家発電した電気を「隣の人に、電気が余ったから買ってもらう」という世界になります。

竹下:えー!そんなことができるんですか?

新海:お隣さんだけではなくて、将来的には、九州で作った電気を東京の方が買うという世界も、デジタル化すると物理的にできるようになります。

竹下:すごいですね!電気のデジタル化とおっしゃっていましたが、個人個人で売買ができるのは、マッチングアプリみたいな感じですね!

新海:そうですね(笑)また、現在、ペラペラのシート状の太陽光パネルも開発されてるんです。ガラスや壁に貼ったり、車の天井に貼って発電するという世界がやってきます。しかも、実際にもう商用化され始めています。

竹下:そんなシートがあるんですね!

新海:例えばスマートフォンに発電できるようなシートをくっつけて、自分で作った電気でスマートフォンの充電ができる世の中が来るかもしれないですよ!

竹下:それは、すごく便利ですね。

新海:やっぱり再生可能エネルギーは、自然のエネルギーで作れるというのが非常に魅力です。今までのように山を切り崩したりとか、大きい土地を開発するとかではなく、身近で発電をして、デジタル化をして、それをコントロールして届けて使う世界ができると、もっと電気を身近に感じる世界ができると思っています。

竹下:そういった世界がくるのが本当に楽しみですね!
新海さんがここまで頑張れる原動力はどこにあるのでしょうか?

新海:やっぱり阿部先生が開発したデジタルグリッドという素晴らしい技術を広めたいという思いが一番ですね。世界中で求められている技術だと思っていますので、この技術が埋もれないよう、私の今までの経験でできることがあればやりたいというチャレンジ精神もあります。私は、これから本当に電力革命が起きると思っています!

竹下:電気のデジタル化という言葉も知らなかったんですが、新海さんのお話を聞いているだけで、本当にワクワクしてきました。

新海:今行っている沖永良部島の取り組みを知っていただくと、電気が身近に感じると思うので、ぜひ注目して見届けていただきたいです。

竹下:今後の取り組みも楽しみにしています。

Company Profile

株式会社えらぶゆり電力(株式会社DGキャピタルグループ) 代表取締役社長

新海優 Shinkai Masaru

1974年、愛知県生まれ。大学卒業後、株式会社INAX(現LIXIL)およびソフトバンクにて経験を積む。 その後、東京大学特任教授・阿部力也氏が提唱する「デジタルグリッド構想」の実現に共感し、2020年に株式会社DGキャピタルグループを共同設立。 現在は一般社団法人デジタルグリッドコンソーシアム理事、同グループ傘下の「株式会社えらぶゆり電力」代表取締役社長として、沖永良部島における地域エネルギーインフラ整備の中核を担う。

https://dgcapitalgroup.jp/